ワタシの名前はジョンスミスです

買い物は現金ではなくカードを使うことの方が多いです。このカードというのはいわゆるクレジットカードではなくデビッドカードのこと。その場で口座からお金が引き落とされるあれです。
当然支払いの際にはサインを求められるのですが、このサインが私は日本語。カードを落としてしまったり、盗まれてしまった場合、英語でサインをするよりもコピーをされにくいということで多少は防護策になるのでは、という考えと、いまさら英語でサインの練習っていうのもね、という理由の両方で決めました。

地元のスーパーのレジ係のおばちゃんたちとはだいたい顔見知りなので、この日本語のサインにも彼女達は慣れており、
「プリティーな字よねぇ」とか
「盗まれても安心ね」
なんて会話ぐらいで大抵すみます。
ところが、ここに新しいレジ係が仲間入り、なんてことになったり、あるいは別のスーパーで買い物をしたりすると2回に1回の割合で聞かれることがあります。

「まあ!これ、何て書いてあるの?」

「自分の支払いのカードの裏に書いてあるもの」といえば「自分の名前」ちゃうんかい!?!? と彼女の両肩をガバとつかんで前後に激しく揺すりたくなる気持ちを抑え、笑顔で
「私の名前ですよ」
と答えます。私も大人です。
「あらそう〜」
としきりに感心するおばちゃん。一つ一つの文字をさして「なんて書いてあるのか」と説明を求められるときもあります。ここで、「えー、そもそも日本語には3種類のアルファベットがあり、そのうちの一つは漢字と呼ばれる中国大陸から輸入されたもの、そして・・・」などとおばちゃんにプチ日本語講座をしている場合ではありません。うしろの列も詰まるってものです。
こういう時は、

「先に書いてあるのが私の苗字で、後ろが名前です。英語とは逆なんですよ」

という新たな新事実でおばちゃんを煙に巻きその場を欽ちゃん走りで去ることにしています。
今度聞かれたら
「三代将軍徳川家光です」
とでも言ってみようかなと思います。