へただぞ美容院

「美容院とはサービスのるつぼ&女の極楽」という日本の環境で育った私にとって、イギリスの美容院初体験は驚愕ものでした。
「イギリスの」というよりも方々からのウワサによると「ヨーロッパの」あるいは、「欧米圏の」と言った方が正しそうな気もするのですが、私自身はイギリスでの経験しかないので、あえて「イギリスの」と限定することにします。
では、どの辺が驚愕ものだったのか、というと

技術面の稚拙さとサービスの悪さ

です。はっきり言って美容院としては致命的とさえ思えるのですが、こういったサロンがイギリスでは全てではないにしても、結構まかり通っているらしいのです。

私の初英国美容院体験
予約の時間にあわせて入店。とっても高飛車で横柄な受け付けのお姉さんが応対。早くも嫌な予感。
名前を呼ばれて席まで案内される。案内してくれた人は愛想が良い。
「コーヒー?それとも紅茶?」と聞かれたが断る。
担当スタイリスト登場。「ハーイ!」と愛想笑いの後の真顔がこわい。
「じゃ、どんな感じにしたいの〜?」と聞かれて「えーっと、後ろはあんまり切らないで、そろえるくらいの感じで・・・」ともたもた説明を始めると、みなまで聞かず、「では、こうこうこんな感じにしますねっっ」と彼女の断定口調でスタイル決定。相談時間約30秒。
シャンプー。日本のようにいすが倒れたりしないので、
「首の角度ただいまぴったり90度」という状態。今にもつりそうになりながらも、顔タオルはもちろんないので、何事もないかのようなすました顔を保つことに全神経を集中する。となりの客はさわやかに談笑などしているが、試しにしゃべろうとしても首の皮が喉を圧迫して「あぐぐ・・・」とうめき声しか出ず断念。
耳に水、顔に水という状態ですすぎもあっさり終了。タオルできちんとふいてくれないので、頭を上げると顔に水がだらだらとたれてくる。
カット。気を取り直して、椅子に座ると突然肩から背中にかけてゴムパットを当てられる。髪をまっすぐに切りやすくするための道具らしい。
「毛先が乾燥してますねぇ。シャンプーは頻繁に?」という質問。
「はぁ・・・」と答えると、「あー・・・」といかにもという顔をして「たまには週に1、2回くらいに回数減らしてくださいねー」ときた。
絶句・・・。
「週1、2回?? 1、2回???」と呆然としている間にカット終了。
「ブローしますか?」とサロン経験では前代未聞の質問をされるが、もう驚きはしない。ブロー後、「はい、どうですかぁ」と鏡を見せられる。横、たっぷりレイヤー。うしろ、ゴムパットの甲斐あって定規で引いたようにみごとな一直線。あきらかに多毛にもかかわらず髪をすいてないので、毛先はひろがりまくり。
もちろん「はい、OKです・・・」と言うとカット代27ポンド(日本円で当時約5500円也)を払ってとっとと店を後にしたのでした。

この恐ろしい経験がトラウマとなって、その後しばらく美容院に行けなかったのは言うまでもありません。
噂には聞いていたけれどこれほどとは・・・という感じです。だからこそあえて無難に結構名の知れた店を選んだというのにこのありさまです。
選んだ私が悪いなんて誰が言えましょう・・・。
うがーーーーーーーーーーーっ、へたくそーーーーーーーーーーっっ。