お風呂 In UK

イギリス人の考える「お風呂に入る」と日本人の「お風呂に入る」は言葉が同じでも内容は結構違ったりします。

まず、こちらの人は洗いかたがおおざっぱ。シャワージェルやボディウォッシュなどを使って洗うのですが、道具は「手のみ」だったりします。スポンジ等を使う人もいますが、日本のような背中も洗えるお風呂用長いタオルといったものがないので、柄のついたブラシなどを使わない限り背中が洗われる頻度は非常に低いのです。
うちのお隣りに住むエマは
「えっ!? 背中なんて洗わないわよ」と言ってのけました。

そして問題はこれまた「すすぐ」こと。
「今日はリラックスのためのお風呂だ」と思っても、バスタブにお湯をはる場合日本のように「洗い場」といったものがないので、結局はその中で体や頭をすすがなくてはなりません。
つまり、最初のあたたまっている間はリラックス気分ですが、頭や体を洗ったが最後、後は濁ったお湯の中にドヨ〜ンとつかっている状態になるのです。
でもこちらでは食器同様すすぎに関する関心度は非常に低いので、水が濁ろうが、たしょう泡が体に付いていようが、全身を一つのバスタブの中のお湯ですすぎ、タオルでふけばそれでよし、という何とも豪快な入浴法になります。

「シャワーを使えばいいじゃないか」と思った人もいるでしょう。でも、シャワーの付いていない家、あるいはあってもじょうろ並みのお湯しか出てこない家というのも結構あるのです。
ちなみに我が家は「あるけど(諸処の事情により)使えない」家です。なので、ボブ男はもちろんためらうことなく「豪快!!入浴法」でお風呂に入りますが、私はどうしても我慢ができない。そのため、頭を洗った後はお湯をすべて抜き、体は蛇口のお湯をおけにくんで体をすすぐ、という何とも手間のかかることをいまだにしています。

しかし!! これも我が家のお湯は瞬間湯沸器方式(コンビボイラー)で作られるため、いくらでもお湯がでてくるから使える技なのです。これまたイギリスには多数存在するタンクお湯ため込み式の家の場合、タンク内の一定の量のお湯を使いきるとその後はもう水しか出てきません。
その場合この技を使うのはかなりリスクが高く、最後はまるで滝に打たれる修行僧のように、歯を食いしばりながら水を浴びるということにもなり兼ねないのです。
渡英初期、お湯の使い方に慣れていなかった私は、心臓発作と背中合わせというなんともスリリングなお風呂タイムを毎日過ごしていました。
あぁ、我が家の湯沸かし器よ、どうもありがとう。あなたあっての私の入浴ライフだよ・・・